
天井や壁一面に吹き付けられた断熱材。ふわふわとした白い泡のように見えるこの素材が、これからの暮らしの快適さをしっかりと守ってくれる、大切な存在なのです!今回は、「吹き付け断熱」の役わりや特徴、そしてメリットなどをご紹介していきます。
役わり・特徴とメリット
断熱材の役わりは、外の暑さや寒さを家の中に伝えにくくし、室内の温度を一定に保つこと。夏の猛暑や冬の厳しい寒さから家族を守り、一年を通して快適に過ごせる空間をつくってくれます。吹き付け断熱は、専用の機械で壁や天井に直接吹き付けることで、細かい隙間にもピタッと密着。従来のシート状の断熱材では埋めにくかった部分までカバーできるのが大きな特徴です。
たとえば、夏。外は35度を超える猛暑日でも、家の中にいるとそこまで熱気を感じにくく、エアコンの効きがよくなります。設定温度を下げすぎなくても涼しく感じられるので、電気代の節約にもつながります。反対に冬は、暖房をつけてもすぐに熱が逃げてしまうような心配がなく、家全体がぽかぽか。キッチンや廊下、トイレなどでも寒さが和らぎ、どこにいても心地よく過ごせます。
さらに、吹き付け断熱は「気密性の高さ」でも知られています。家のすき間から入る冷気や暖気をしっかり防ぎ、計画的な換気を行いやすくしてくれます。そのおかげで、湿気がこもりにくく、結露やカビの発生を抑える効果も期待できます。結露は窓際だけでなく、壁の中でも起こりやすいもの。知らないうちにカビが広がると健康被害につながることもありますが、断熱材がしっかり働いていればそのリスクも減らすことができます。
また、音の面でもメリットがあります。外からの車の音や周囲の生活音が気になりにくくなるだけでなく、家の中の音も外に漏れにくくなるため、静かで落ち着いた住環境を保つことができます。小さなお子さまがいるご家庭や、在宅ワークをされる方にとっても嬉しいポイントです。
例えば、夜遅くに洗濯機を回したり、お子さんが走り回ったりしても外に響きにくいのは安心ですし、逆に外からの騒音で眠れないといったストレスも少なくなります。日常の「ちょっとしたストレス」を軽減してくれるのも断熱材がもたらす大きな価値です。
「心地よさ」を形づくる断熱材
この写真からもわかるように、吹き付け断熱は隙間なく施工されるため、壁の形に合わせてぴったりと密着しています。施工後は余分な部分を削り、石膏ボードなどで仕上げをしていくため、完成した家では目に見えることはありません。しかし、壁や天井の奥でずっと、家族の暮らしを支え続けてくれるのです。
夏や冬の快適さはもちろん、光熱費の節約、健康の安心、静かな環境づくり…そのどれもが、この見えない存在によって守られています。
写真に写るこの吹き付け断熱材は、ただの建材ではなく、これからの暮らしの心地よさを形づくる大切なパートナー。目には見えなくなってしまっても、その存在は家族の毎日に寄り添い、守り続けてくれるのです。